Ｎｏ.３［探偵］探偵から見たハロウィン時期の調査の注意点［証拠収集］

　ハロウィンの時期は、探偵業においても非常に特徴的で難易度が高い時期といわれます。
街全体が仮装やイベントで賑わい、人々が夜遅くまで外出するため、浮気・不倫調査にも特有の注意点と戦略が求められます。
以下では、探偵の現場目線で「ハロウィン時期の調査で注意すべきポイント」や「成功のための対策」を詳細に解説します。

🎃仮装による「顔認識困難」への対応

ハロウィン調査で最も大きな課題は、対象者が仮装やメイクで顔を隠していることです。
マスク・ウィッグ・濃いメイク・帽子などの影響で、通常の顔認識による追尾が困難になります。

対応策

• 服装・体格・歩き方・持ち物など、顔以外の特徴で対象を識別する訓練が重要。
  たとえば、「靴の色」「指輪や時計」「バッグの形」「歩行リズム」など、微細な情報を観察します。
• 事前の写真収集が鍵。仮装時でも特徴を見抜くため、調査前に普段の服装・癖・姿勢を把握しておく必要があります。
• 同伴者（不倫相手）の仮装スタイルも事前にリサーチし、見失った際に再特定できるように備えます。

👻人混みと雑踏での尾行リスクの増加

ハロウィン当日（特に10月31日前後の週末）は、渋谷・心斎橋・六本木などの繁華街で数万人規模の人出になります。
そのため、対象を見失いやすく、また尾行が露見するリスクも高まります。

対応策

• 複数名でのチーム尾行体制を構築。最低2〜3名で連携し、交差点や信号ごとに担当を交代。
• 人混み用の立ち回り術として、対象の進行方向より少し斜め後方を維持し、逆方向から回り込むルートを確保。
• 車両尾行を避ける判断も必要。仮装行列や交通規制の影響で車両追尾がほぼ不可能なため、徒歩中心の調査に切り替えます。
• 事前の地理調査（ロケハン）も必須。人気スポット周辺の迂回ルートや人通りの少ない抜け道を把握しておくことで、見失い防止につながります。

🦇写真・映像証拠の撮影難易度が上がる

夜間かつ人混みの中では、通常よりも撮影条件が悪化します。
照明が暗く、対象の顔が仮装で隠れているため、証拠写真の価値を確保するには工夫が必要です。

対応策

• 高感度カメラ・暗所撮影機材の使用（赤外線カメラやF値の低いレンズを用意）。
• 建物の照明・街灯・看板光を利用して、対象が自然に明るい場所へ出た瞬間を狙う。
• 動画撮影を併用し、後で静止画を切り出す方法も有効。ブレや暗所に強い映像証拠を確保できます。
• 入店・退店の瞬間など、顔が確認できるタイミングを重点的に記録。
  仮装中で顔が完全に見えない場合でも、同伴者との行動・接触を記録することで「親密関係の推定証拠」になります。

🕸️「言い訳されやすい時期」であることを踏まえた証拠構成

ハロウィンは、「友人とイベントに行った」「仮装仲間と写真を撮った」など、
浮気・不倫を隠す口実が非常に作りやすい時期でもあります。
そのため、証拠の質と繋がりが重要になります。

対応策

• 複数の時間帯・場所での行動連続性を撮影する。
  （例：仮装イベント → 食事 → ホテル、という一連の流れを立証できると、単なる友人関係という言い訳が難しくなります。）
• 入店・退店時の時間記録を正確に残す。
  ホテル滞在時間や入室・退出の映像があると、慰謝料請求の際に極めて有効です。
• 「ハロウィン後にホテル」パターンでは、仮装から私服に着替える場面を押さえると関係性が明確になります。

🕯️対象者の動きが予測しづらい

イベント時期は、対象者が普段の行動パターンから外れる傾向があります。
浮気相手と待ち合わせる前に仲間と集合したり、仮装会場をはしごしたり、深夜の予定変更が発生しやすいのが特徴です。

対応策：

• リアルタイム連携システム（GPS共有や無線通信）を用いて、状況変化に即応できるようにする。
• 対象者のSNSチェックも重要。ストーリー投稿やイベント情報から行動エリアを推測できる場合があります。
• 「複数日調査」を計画し、前夜祭・当日・翌日までを通して動向を把握。特に翌日の昼に「休憩目的」で再会するケースもあります。

🎭探偵自身の「外見・立ち回り」も工夫が必要

仮装イベント会場でスーツ姿のまま尾行していては、逆に目立ってしまいます。
探偵も現場に溶け込むために「軽い仮装」や「カジュアル服装」を採用することがあります。

対応策

• 仮装者として紛れ込む戦略：帽子やマスクを自然に着用し、カメラを目立たせないようにする。
• 撮影機材の隠蔽：スマートフォン型カメラやボタン型カメラを使用し、人混みでも自然に撮影可能に。
• 周囲のノイズやフラッシュを利用して、撮影の存在を気づかれにくくする。

🕵️‍♂️ハロウィン後の調査にも注目

多くの不倫カップルは、ハロウィン当日だけでなく「翌日」や「翌週末」に“後夜祭”として会うことがあります。
イベント当日は混雑を避け、翌日にホテルデートをするケースも珍しくありません。

対応策

• 当日調査＋翌日調査のセット実施で、確実な証拠を狙う。
• イベント後のSNS投稿を分析し、「あの仮装を着ていた日＝会っていた日」として証拠補強に使う。
• ホテル領収書・交通履歴などの状況証拠と組み合わせて、時系列の一貫性を立証。

🧩まとめ（ハロウィン調査は「人混み・仮装・口実」の三重苦）

課題	リスク	対策
仮装	顔が見えない	体格・持ち物・行動パターンで識別
雑踏	尾行困難	チーム体制・ロケハン・徒歩中心
暗所	撮影困難	高感度機材・動画撮影・入店退店狙い
言い訳	証拠が薄い	行動連続性・滞在時間の立証
行動変化	突発的	SNS・GPS・複数日調査で対応

ハロウィンは探偵にとって「最も華やかで、最も難しい」季節です。
非日常を装う人々の中で、対象を正確に追い、確実な証拠を掴むには、
経験・冷静さ・柔軟な判断が求められます。
表向きは仮装の祭りでも、探偵にとっては「真実を暴く仮面舞踏会」となる――
それが、ハロウィン時期の調査の実態です。