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以下は、日本における共同親権(きょうどうしんけん)について、制度の背景から具体的な運用、注意点までを含めた詳細な解説です。
目次
共同親権とは何か
共同親権とは、父母が離婚後も双方が子どもの親権者としての地位を保持する制度です。
親権には大きく分けて以下の2つの要素があります。
- 身上監護権:
子どもの生活・教育・医療など、日常生活に関する決定権 - 財産管理権:
子どもの財産を管理し、法的行為を代理する権限
共同親権では、これらの親権を父母が協力して行使することが前提となります。
日本における現行制度と改正の流れ
① これまでの日本の制度(単独親権)
日本では長年、離婚後は父母のどちらか一方のみが親権者になる「単独親権」が原則でした。
- 離婚届に「親権者を父または母のどちらか一方だけ記載」
- 離婚後、もう一方の親は法的な親権を完全に失う
- 面会交流や養育費は「権利・義務」とされるが、実効性に課題
この制度は、世界的に見ると少数派であり、国際的な批判もありました。
② 共同親権導入の背景
共同親権が議論されるようになった背景には、次のような問題があります。
- 離婚後、片方の親と子どもが断絶されやすい
- 面会交流が実現しないケースが多い
- 養育費の不払い問題
- 国際結婚・国際離婚における摩擦(海外では共同親権が一般的)
これらを踏まえ、「子どもの最善の利益」を重視する観点から、共同親権の導入が検討されてきました。
③ 法改正のポイント(概要)
法改正により、日本でも以下のような仕組みが導入されます。
- 離婚後の親権について
「単独親権」か「共同親権」かを選択可能 - 父母の協議または家庭裁判所の判断で決定
- すべてのケースで共同親権になるわけではない
つまり、共同親権は原則化ではなく選択制です。
共同親権の具体的な内容
① 親権行使の方法
共同親権では、以下のように整理されます。
- 重要事項
例:進学先の決定、医療行為(手術など)、転居、パスポート申請
→ 父母双方の合意が必要 - 日常的な行為
例:日々の食事、習い事の送迎、軽度の通院
→ 同居親が単独で判断可能
すべてを逐一話し合う必要はなく、現実的な運用が想定されています。
② 子どもの居住(監護)
共同親権でも、
- 子どもがどちらと暮らすか(主たる監護者)
- 面会交流の頻度・方法
は、別途取り決める必要があります。
共同親権 = 子どもが半分ずつ暮らすという意味ではありません。
共同親権が認められない・制限されるケース
次のような場合は、共同親権が認められない、または単独親権が選択されます。
- DV(身体的・精神的暴力)がある
- モラルハラスメントが深刻
- 子どもへの虐待がある
- 親同士の対立が激しく、協議が成立しない
- 共同での意思決定が明らかに困難
家庭裁判所は、子どもの安全と福祉を最優先に判断します。
共同親権のメリット
- 子どもが両親との関係を維持しやすい
- 面会交流が形骸化しにくい
- 親が「責任を共有」する意識を持ちやすい
- 養育費の支払い意識向上が期待される
- 国際基準に近づく
特に、子どもの心理的安定を評価する声は多いです。
6. 共同親権のデメリット・懸念点
- 親同士の対立があると意思決定が停滞
- 進学や医療などで合意形成が難航する可能性
- DV・支配関係が見えにくくなる懸念
- 実務(学校・病院・行政)が混乱する可能性
そのため、形式的に共同親権を選ぶことは危険とされています。
協議離婚・調停・裁判での扱い
- 協議離婚
父母の話し合いで、単独か共同かを決定 - 調停離婚
家庭裁判所が間に入り、親権形態を調整 - 裁判離婚
裁判所が証拠や状況を踏まえて判断
いずれの場合も、基準は一貫して「子どもの最善の利益」です。
実務上の注意点
共同親権を選択する場合は、以下を書面で明確化することが重要です。
- 重要事項の決定方法
- 意見が対立した場合の解決手段
- 面会交流の具体的ルール
- 緊急時の判断権限
- 養育費の金額・支払方法
曖昧なままにすると、後の紛争につながります。
まとめ
共同親権は、
- 「離婚しても親であり続ける」制度
- すべての家庭に適するわけではない
- 子どもの利益を最優先に慎重な判断が必要
という特徴を持っています。

